マンション住まいだけど、緑と花のあふれるガーデニングをしてみたい。
そう思い立ったら、まずは一歩踏み出してみましょう。
コツや要領、注意点を知っておけば、マンションでのガーデニングも夢ではありません。
ベランダという限られた空間でも簡単に始められるガーデニング方法をお伝えします。
マンションはガーデニングが可能な環境?
ベランダは、一戸建ての庭とは違い、植物に必須の地面がありません。
ですが、鉢やプランターなどの容器に植えれば、そのハードルは難なく越えられますし、園芸用の土も専門店、ホームセンターなどに揃っています。
また、ベランダに置く植物はすべて容器植えということになるので、環境に合わなければ移動ができ、かえって扱いやすいという面もあるのです。
一旦置いてはみたけれど直射日光や雨がよく当たる、レイアウトを変えてみたいという時にも、容易に鉢を動かせます。
とはいえ、実際にガーデニングを始める前には、日当たりなどの環境を考慮しておくのがベターです。
基本的に南向きで風通しのよいベランダが、植物にとって育ちやすい環境です。
しかし、日当たりが悪いからといってガーデニングをあきらめることはありません。
ベランダの環境に合わせ、日陰を好む種類を選ぶ、鉢の置き場所を工夫するなどの方法で対処すれば、緑豊かなベランダが作れます。
ベランダガーデニングに適した植物選び
ベランダでは無条件にどの植物でもというわけにはいきませんが、多種多彩な植物を育てられます。
スペースが限定されるので、種から育てるものより球根や苗を植えるものが向き、気軽に始められるでしょう。
では、どのような植物が適しているのでしょうか?
[季節ごとのカラフルな花]
なんといっても色鮮やかに咲く花々は、ベランダをカラフルに彩ってくれますね。
栽培しやすい花には、次のようなものがあります。
春に咲く花…パンジー、チューリップ、ムスカリ、ナスタチウム、なでしこ、デイジー
夏に咲く花…ペチュニア、インパチェンス、朝顔、アメリカンブルー、ミニヒマワリ
秋に咲く花…コスモス、マリーゴールド、マーガレット、カランコエ、キンギョソウ
冬に咲く花…ガーデンシクラメン、ノースポール、プリムラ、アリッサム
花を楽しむ植物は、1年で枯れてしまう1年草や翌年も花開く多年草、開花時期の異なるものをバランスよく持っておくのがポイント。
季節を通じて花を絶やすことなく、美しい空間を楽しめます。
[観葉植物]
観葉植物は室内に飾るというイメージがありますが、直射日光や寒さに強いものもあります。
中には鉢植えでも大きく育つものもあり、抜群の存在感を示してくれます。
南国風の雰囲気をかもし出すユッカ、円錐形でスッキリとした印象のゴールドクレスト、奔放につるを伸ばすアイビーなどがおすすめです。
[多肉植物]
それほどスペースが取れない、まずは小さなものから始めてみたいという場合に向いているのが、サボテンを代表とする多肉植物です。
近年ではサボテンばかりではなく、アロエ、セダム、ハオルチアなど色も形もかわいらしい多肉植物が流通し、ぷくりとした姿が人気となっています。
小ぶりで場所を取らず、増やすのも簡単。
共通する特徴として葉の中に水分を溜めこむ性質があるため、あまり水やりの手間がかかりません。
[野菜やハーブ類]
収穫し食卓に出せるものを育てると、ガーデニングにもいっそう力が入ります。
野菜であれば、土を多く必要とする根菜類よりも、成長が早くて収穫の楽しい実成の野菜がおすすめです。
夏には、ミニトマト、キュウリ、ピーマン、ナスなど数多くの野菜が作れます。
また、香り豊かなハーブ類を育てるのもよいでしょう。
ハーブの多くはあまり害虫を寄せ付けず、生命力旺盛。
生育に気を遣うことがありません。
それぞれに特徴ある香りを活かせば、毎日の料理レシピの幅も広がり、ハーブティーとして楽しむこともできますよ。
育てやすく使いやすいものには、肉料理に合うローズマリー、トマトと相性のよいバジル、さわやかなペパーミント、レモングラスなどがあります。
植物のほかに準備するものは?
ガーデニングを継続していくためには、管理や手入れのための道具を揃えておくとよいですね。
まず忘れることのないものから、あれば便利な道具まで、リスト化してみましたので、参考にしてください。
[鉢やプランター] 花用には標準的なサイズのもの、野菜には深め、と用途に応じて準備します。
[土] 肥料をバランスよく混ぜ込んである培養土が便利です。
[鉢底用ネット] 鉢の底にしいて土の流出を防ぎます。プランターには付属しているものもあり。
[鉢底石] 鉢の下部に培養土を入れる前に敷きます。水はけをよくします。
[ジョウロ] ベランダに水道蛇口があれば、ホースとシャワーヘッドでもOKです。
[手袋] 植え替えや鉢の移動などに使用します。園芸用のものが快適に使えます。
[小型スコップ] 土入れ作業などに用います。
[ハサミ] 伸びすぎた枝や枯れた部分をカットするのに必要です。
[ビニールシート] 植え替えや植え込みの折に敷いておくと、床を汚しません。
[ホウキとちりとり] 土の汚れやほこりのほか、枯れた葉や花なども意外と落ちます。
掃除用に備えておきましょう。
ベランダガーデニングをもっと魅力的に
好きな植物を植え、鉢を並べてみたけれど、なんとなく理想のガーデニングスタイルと違う、と感じることがあるかもしれませんね。
ベランダというスペースを有効に使い、もっと魅力的にするためには、レイアウトを立体にするというのが大きなポイントとなります。
市販のガーデンラックやスタンド、ハンギングバスケットなどを利用すると、高さの異なる位置へ思った以上に多くの植物を飾れて、見栄えがよくなります。
なおかつ、植物への日当たりがよくなるというメリットも。
もっと雰囲気作りに凝ってみたいなら、床面に手を加えてみましょう。
ウッドデッキやタイル、人工芝などを敷けば、材質によってガラリと雰囲気が変わります。
温度の影響を受けやすいコンクリート面に直接鉢を置くことを避けられるという利点もあります。
更に、壁面にすのこやラティスなどを設置すれば、ナチュラルな雰囲気が増す上、各段に釘やフックをかけてより多くの鉢が飾れるように。
まっすぐ伸びる植物や横に這う植物、ハンギングから垂れ下がる植物など性質の違うものを組み合わせると、変化に富んだ光景が楽しめます。
ベランダガーデニングで注意したいこと
最後に、ベランダガーデニングならではの注意点を挙げておきましょう。
エアコンの室外機の上や避難経路近くなどに鉢を置くのは避けてください。
落下の危険性がないとも限らないので、柵の外側に鉢を設置するのはNGです。
また、柵近くの植物に水やりをする時には、階下への影響に十分配慮してくださいね。
とはいえ、ベランダという環境だからこそアレンジがしやすく工夫のしがいがあるというもの。
自分だけの素敵なガーデニングスペースを思い描いて、少しずつ作り上げてください。