一目でわかる健康チェック
日に一度は植物を見て回り、様子をチェックすると、病害虫の早期発見や弱った株を見分けることにもつながり、被害を拡大させずにすみます。
ハダニなどは葉の裏につくことが多いので、葉は表面だけでなく、裏側もよくチェックします。樹木におがくずのような木くずがついていたり、果実に穴があいていたりするのも害虫のしわざです。
また、株の下から枯れ上がってきたり、新芽が伸びない、落葉の時期ではないのに葉が枯れて落ちている、などは根腐れを起こしているので、植え替えのサインです。
鉢植えは用土の乾き具合もチェックします。
植物を元気に育てるポイントは、様子をチェックする習慣を身につけることです。
健康状態の見分け方
葉の色が黄色っぽかったり、白っぽかったり、しおれていたりするのは、水や肥料、日照不足などで起こります。
よく観察してトラブルの原因を突き止めるのが大事です。
[用土の乾き具合はどうか?]
鉢土の表面が白っぽくなっているのは乾燥のしるしです。
乾いていたら水やりをしましょう。
[株元の葉が枯れていないか?]
下葉が枯れ上がるのは、水切れや根腐れのサインです。
すぐに水をやり、根腐れの時は至急植え替えをします。
[花がらがついていないか?]
咲き終わった花(花がら)は株を弱らせたり、病害虫の原因になるので早めに摘みとります。
[葉の色をチェックする]
葉の色が黄色くなったのは、水切れ、肥料切れ、ハダニなどの被害が考えられます。
寒さに弱い観葉植物などは、凍害に合うと葉の色が黒っぽくなります。
根の働きが悪くなると、葉色が黄色くなってきます。
これは植え替えのサインです。
[葉の裏をチェックする]
ハダニやカイガラムシは葉の裏についていることが多いです。
葉の表面が少しでも変わっていたら裏も見ましょう。
[葉に白い筋がある]
葉の表面に字を書いたような白い筋があったらハモグリバエの幼虫の食害を受けています。
[幹や枝をチェックする]
鉢の周辺や葉面に害虫のふんが落ちていないかをチェックしましょう。
幹に小さな穴があいて、木くずがついているのは害虫によるものです。
失敗のない水の与え方
俗に「水やり3年」といいますが、やさしいようで難しいのが水の与え方「水やり」です。
水は、植物が必要としているときに、必要な量を与えることがポイントです。
庭に植えられているものは、地中深くまで水を求めて細根を張りめぐらせ、地下水を吸い上げる能力があるので、よほど乾かないかぎり水やりの必要はありません。
それでも盛夏に日照りが続けば、しおれて枯れることもあります。
必要に応じて水をやりますが、地温と水温の差が大きい夏場は涼しい早朝か夕方に与えます。
たっぷり水やりした後は、鉢植えと違い、度々は与えません。
頻繁に水やりすると根の発達が遅れるからです。
マルチングを施し、株元を保護するのも効果的です。
水やりの基本
開花中は水が花にかからないように株元に直接注ぎます。
鉢底の穴から流れ出るまで与えると、水とともに新鮮な空気も送りこめます。
[正しい水やり]
ジョウロで株元に水をやります。鉢のウォータスペースいっぱいに水を溜め、底から流れ出るまで与えます。
・口元を押さえると水流が弱まり、泥水を草花に跳ね上げることもないでしょう。
・手を添えると水流を弱めると同時に、水の方向が変えられます。
[土が乾きすぎた場合の水の与え方]
鉢を両手で持ち、水を入れたバケツに一気に沈め、泡が出なくなるまで水につけます。
[ハス口の使い方]
ハス口を下に向けると的を絞った水やりができます。
ハス口を上に向けると、広い面積にやわらく水が与えられます。
夏と冬では水やりの方法が違う
夏は、鉢土の表面が白っぽく乾いてきたときに与えますが、日中に水やりをすると、鉢に溜まった水が温まり植物の根を傷めることがあるので、朝早くに与えるのが無難です。
また、ホースの中に残っている水が湯のようになっているため、いきなり与えず1度流してから水温を確かめてから与えると安心です。
冬は、鉢土の表面が白っぽく乾いてからさらに2、3日たってから与えます。
なお、水道水は冷たすぎるので、汲み置きして室内に置いた水を与えるようにします。
コンテナ植えの水やり
コンテナ植えでは、水やりが最も大事な管理です。
限られたスペースの中で生育するので地植えと違い、地中から水を吸い上げることはできません。
用土の表面にさっと与えただけでは、鉢の下の方は乾いたままで、やがて枯れてしまいます。
土の種類やコンテナの大きさ、置いてある場所、季節などによって鉢土の乾き方は違ってきますが、水は鉢土の表面が白っぽく乾いてきたときに与えるのが基本です。
土がカラカラに乾いてからでは遅すぎます。
鉢の中の方の土はまだ湿り気があるという状態で、そろそろ根が水を欲しがりはじめたときに、鉢底から流れ出るまで十分に与えます。
こうすると、水が供給されるとともに、鉢土にたまった古い空気を新鮮な空気に入れ替えることができます。
水やりのタイミング
水の与えすぎも植物にはよくありません。
鉢土が常時水浸しの状態では、根は新鮮な空気が得られないので、根腐れを起こします。
水やりは1日に1回と決めずに、鉢土の表面をチェックし今水を欲しがっているのかどうか見極めましょう。
[土を乾きにくくする工夫]
鉢土の表面をバークやミズゴケ、ピートモスなどで覆うと水分の蒸発を抑えて乾燥防止になります。
[土の色でタイミングがわかる]
鹿沼土は乾いているときは白っぽく、湿っているときは茶褐色になるので、水やりのタイミングがわかります。
鹿沼土が白っぽくなったら、水のやりどきです。
庭植えだからといって水やりする場合もある
普段は水やりの必要のない庭や花壇の植物も、夏に晴天が続くとしおれたり、花が小さくなったりします。
そのようなときはたっぷり水を与えます。
しかし、頻繁に与えると根が深く伸び出さないので、よほど乾燥したときだけ与えます。
1、株の周囲に水をためる溝を掘ります。
2、掘った溝に水を入れ、水が引いたら再度水を入れて土中にたっぷりと水が染み込むようにやります。
[鉢の種類によって乾き方が違う]
素焼き鉢は吸水性や通気性に優れ、余分な水分が蒸発するので用土の乾きが早いです。
プラスチック鉢は吸水性や通気性に欠けるので、用土の乾きが遅いです。
雨が降っても水やりは必要なのか?
軒下に置いてあるものや樹木の枝にかけたハンギングバスケットなどは、雨が降っても鉢土に雨水は行き渡りません。
特にハンギングバスケットは乾燥が激しいので、少し濡れたくらいでは中まで湿らないもの。雨が降ったからと安心せず、適湿な状態かどうか確認したほうがよいでしょう。