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肥料の種類と効果、肥料の効果的な施し方

肥料の効果的な施し方

大きな花をたくさん咲かせたり、美味しい野菜や果実を収穫するためには、多くの養分が必要になります。

肥料は植物の食べ物で、正常に育つためには水分とともに肥料が必要です。

なかでも大量に必要とされるのが、「肥料の3要素」と呼ばれている窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)です。

それぞれに効き目が異なり、窒素は葉肥、リン酸は実肥、カリは根肥と呼ばれて、植物の生育段階で必要とする要素が違います。

しかし、養分は単独で働くわけではないので、施すときは成分に偏りがないように、バランスよく施すのがポイントです。

また、根から吸収する養分ですから、根が活動しているときに効果的に施します。

肥料は植物が順調に生育しているときに適量施すことが大事です。

肥料はバランスよく施す

施肥は成分に偏りがないようにするのがポイントです。

例えば窒素が多すぎると肥焼けや木ぼけ、つるぼけになって花や実がつかなくなるように、1要素を偏ってやりすぎるのは失敗の元になります。

5−10−5って、何のこと?

肥料の容器には、5−10−5や8−8−8などの数字が表示されています。

これは肥料に含まれている窒素、リン酸、カリの成分比で、全体を100としたときのそれぞれの重量を表しています。

5−10−5は、窒素が5%(5g)、リン酸が10%(10g)、カリが5%(5g)含まれていることを示しています。

3要素の比率を合計した量が30%以上の高度化成肥料と30%以下の低度(普通)化成肥料があり、花壇などは30以下のものを使うと安心です。

窒素、リン酸、カリの順に配合比率が表示されています。
この表示方法は万国共通です。

肥料の働き

3要素の他にカルシウムやマグネシウムなども多少は補給する必要があります。

これらも含めて5要素と呼びますが、それぞれが単独で働くのではなく、さまざまな養分が助け合って植物を生長させています。

肥料の5要素


[リン酸(花、実肥)]
生育初期に与えると根、茎、葉の数が増え、花と実がよくつきます。


[窒素(葉肥)]
葉緑素をつくり、生育を促し、養分吸収や同化作用を盛んにする。


[マグネシウム]
リン酸の吸収や光合成を助けます。


[カリ(根肥)]
光合成に関係し、寒さや暑さ、病害虫に対する抵抗力をつけます。


[カルシウム]
根の発育を促進し、土壌酸度を改良する。

株を覆ってたくさん花をつける鉢花には肥料が欠かせないですが、施しすぎに注意しましょう。

肥料の種類と働き

肥料は大きく「有機質肥料」「化学肥料(無機質肥料)」に分けられます。

有機質肥料は、油かす、骨粉、鶏フン、魚かすなど、動植物を原料にした天然の肥料をいいます。

土中の微生物によって原料が分解されて初めて根に吸収されるため、効果が出るまでに時間がかかります。

しかし、ゆっくり効くぶん肥焼けなどで根を傷める心配がなく安心です。

化学肥料は主に化学合成によって作られたもので、「化成肥料」とも呼ばれています。

肥料成分の含有量が高く水に溶けやすいので、根は直ちに吸収でき、効果がすぐに現れます。

3要素を含むものと、単肥のように1種類の成分しか含まないものがありますが、3要素が同量含まれているものが便利です。

そろえておきたい肥料の種類


水に溶かして使うもの、鉢土の上にまくものなどたくさんの肥料があります。

肥料の効果も異なるので、目的に合わせて求めましょう。


肥料は効き目の違いで速効性肥料緩効性肥料に分けられる。

目的に合わせて選びましょう。

[固形有機質肥料]

骨粉や魚粉、油かすなどの有機質を混ぜて固形にした肥料。

徐々に溶け出すので、追肥用の置き肥に使う。

[牛ふん]

牛のふんを乾燥させたもので、比較的バランスのよい肥料で、トマトやナスなどの果菜類に適している。

[顆粒、粉状有機質肥料]

油かすや魚粉などの有機質肥料を粒や粉状にした肥料。遅効性なので元肥に適するが追肥にも使えます。

[液体肥料]

水溶性の化成肥料で、粉末などを水に溶かして使うものとそのまま使うものがあります。速効性があり、追肥に向きます。

[緩効性化成肥料]

顆粒状の化成肥料が徐々に溶け、効果が持続するように樹脂でコーティングされた肥料です。元肥として使います。

[速効性化成肥料]

科学的に合成した肥料で、すぐに溶けるため肥料障害が起きやすいので、適度な量を施すのが大事です。

目的に合わせて施す肥料

肥料は植物の生長に合わせて施します。

植物の生育期の前半は枝葉を茂らせて体をつくらなければならないために、生育に欠かせない窒素分の多い肥料を施します。

中期から後半は、花芽ができ、花が咲き、実を結ぶのでリン酸分の多い肥料が必要になります。

このように、植物の生長過程で必要な要素が違いますから、目的に合った肥料を使い分ける必要があります。

ただし、生長過程をチェックして必要な要素を施すといっても、生育初期に窒素だけを施していたのでは、軟弱に育つばかりで健全には育ちません。

リン酸やカリも必要です。

それらは単肥ではなく、必要な成分が他の成分より多めに含まれているバランスのよい肥料を使用しましょう。

3要素は必要な時期に施す

3要素(N:窒素、P:リン酸、K:カリ)の成分が含まれている割合によって施す植物も違い

また、生育過程によっても必要な肥料の要素が異なります。

必要とする要素を含んだ肥料を適切に施しましょう。

[生育前半期(下がり型、右下がり型)]

枝葉を大きく育てるため、窒素分を多く含む肥料を施す。

観葉植物や葉菜類にも向きます。

[生育中期〜後期(山型)]

花芽ができたり、結実する時期は、花つきや実つきをよくするリン酸分が多い肥料を施します。

[開花・収穫後(上がり型、右上り型)]

多年草は翌年の芽出しのために葉が枯れるまでは、株を丈夫にし根を充実させるカリ分の多い肥料を施します。

球根植物や根菜類にも向きます。

元肥と追肥

肥料の使い方には「元肥」と「追肥」があります。

よく耕し、タネまきや苗を植え付ける準備をするときに施す肥料が元肥。

肥料効果が長く続く緩効性や遅効性タイプの肥料を施します。

苗や苗木が生長するにつれて元肥の肥料成分が失われていくので、生育に応じて肥料を追加します。

これが追肥で、速効性の液体肥料や化成肥料が適します。

[元肥の施し方]

元肥は生育が始まる少し前に施します。

[追肥の施し方]

追肥は生育中に施します。

錠剤型の緩効性化成肥料は水やりのたびに肥料分が溶け出すので追肥に適している。

鉢土の上において施します。


鉢の中は大地と違い、生育中は追肥が必要です。

置き肥は根から離して鉢の縁に置きましょう。

寒肥とお礼肥、芽出し肥

庭木や花木、果樹などが休眠している寒い冬に鶏ふんや油かすなどの有機質肥料を施すのが「寒肥」で元肥の一種です。

春先に元気な芽を出させることを目的に、冬に施しておきます。

「お礼肥」は、花が咲いた後や果実を収穫した後に「美味しい実や、美しい花をありがとう」という感謝の肥料で、追肥の一種です。

おもに花木や果樹、球根植物に施し、株の回復をはかるもので、効き目の早い化成肥料を使います。

また、追肥のひとつに「芽出し肥」があり、おもに春先に施します。

[寒肥の施し方]

春の活動期に向けて、植物の生長が休止している冬季に施します。

[芽出し肥の施し方]

植物が順調に生育するように、芽が出はじめるころに施します。

[お礼肥の施し方]

花木の開花後や果樹の収穫後に、弱った株の回復を目的に施します。

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