アロマティカス(Plectranthusamboinicus)は、シソ科に属する多肉質の多年草で、独特の香りと美しい緑の葉を持つ観葉植物です。
アロマティカスは、料理やアロマテラピーに利用されることが多く、その育て方や増やし方を詳しく解説します。
アロマティカス
基本情報
アロマティカスは、肉厚で光沢のある葉を持ち、特に葉を触れると強い香りがします。
耐寒性があり、日当たりの良い場所を好むため、室内でも育てやすい植物です。
成長すると高さは30〜60cm程度になりますが、剪定を行うことでコンパクトに保つことも可能です。
[別名]
キューバオレガノ
[科名]
シソ科
[原産地]
東アフリカからインドまでの熱帯地域全般
[日当たり]
ひなたを好みます
[冬越し温度]
最低5°C以上
名前の由来や品種の特徴
多肉質の葉は表面が白い軟毛で覆われ、ビロードのような風合いです。
葉をこすったりつぶすと、ミントに似た爽やかな香りがします。
料理やお菓子、紅茶などの風味付けやリキュールの材料など、ハーブとしても使われます。
海外ではアロマテラピーなどにも広く利用されています。
葉が大きく縁に白斑が入るアンボイニクス(アンボイ錦)は、さらに強い芳香があります。
自生地での様子
日当たりの良い場所に生育し、さかんに枝を出して大きな株張りに茂ります。
栽培下での生長の様子
生育が旺盛で、育てやすい種です。
株元から次々と新芽を出して分枝し、こんもりとボリュームアップします。
葉姿がコンパクトなので、小株に仕立てると愛らしい株姿が引き立ちます。
育て方のポイント
置き場所
室内では日光が当たるところに置きましょう。
夏に屋外に出す場合は、徐々に慣らせば直射日光に当てても元気です。
ある程度耐陰性もありますが、弱光で育てると間延びし、葉色が悪くなります。
冬は霜が当たらない環境で水を控えめにすれば、0°C近くの低温にも耐えます。
土
水捌けの良い土壌が必要です。
市販の観葉植物用土や多肉植物用土を使用すると良いでしょう。
自分で土を作る場合は、赤玉土、腐葉土、バーミキュライトを混ぜると良いです。
水やり
アロマティカスは比較的乾燥に強いですが、土が完全に乾燥する前に水やりを行うことが重要です。
春から秋は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬は水やりの頻度を減らし、土が乾燥してから1週間ほど待ってから水を与えると良いでしょう。
多湿にも乾燥にも比較的耐えますが、水切れしない程度に少なめに与えた方が、間延びせずに育ちます。
肥料
成長期には、液体肥料を2週間に1回程度与えると良いです。
特に、窒素、リン酸、カリウムがバランスよく含まれた肥料が適しています。
秋から冬にかけては肥料を控えます。
春から秋の生長期には、追肥として薄い液肥を2週間に1回程度与えます。
病害虫対策
アロマティカスは比較的病害虫に強いですが、以下の点に注意が必要です。
・アブラムシ:葉の裏に見られることが多く、見つけ次第、肥料で洗い流すか、石鹸水をスプレーして駆除します。
・うどんこ病:高湿度で発生しやすいので、風通しをよくし、葉が湿った状態が続かないように注意します。
温度と湿度
アロマティカスは温暖な気候を好み、最低でも10℃以上を保つ必要があります。
湿度は高めが好ましいですが、乾燥にも強いので、通常の室内環境でも問題ありません。
特に冬場は暖房による乾燥に注意が必要です。
仕立て直しと増やし方
株が大きくなって葉の数が増えると株元に日光が差し込まず
蒸れて葉が黄変したり落ちることがあります。
伸び過ぎた株は切り戻し、込み入った部分の葉茎をすいて株姿を整えてから植え替えます。
大きく育ち過ぎたら株分けする
生育が旺盛で、植え替えが遅れるとだらしない印象になります。
株分けをし、再びこんもりとした株姿に仕立て直しましょう。
1、鉢(ポリポット)の大きさに対して生長し過ぎた株は
次第に下葉が落ちてだらしない印象になるので、剪定してから株分けをします。
2、思い切って全体を短く刈り込みます
根鉢をハサミで半分に切り分け、古土を落とします。
3、四方から見てバランスよく育つよう、形を整えます。
4、以前と同じサイズの鉢の中央に株をすえ、植え付けます。
水切れしないようにし、新芽が伸び出すまでは半日陰で管理しましょう。
剪定した葉茎を利用して挿し芽で増やす
切った葉茎を利用して、挿し芽で増やすこともできます。
繁殖力が強く、初心者でも容易です。
1、茎を7〜8㎝に切り、下葉を2〜3枚取ります。
2、挿し床を湿らせ、はしなどで挿しあなをあけてから挿し穂を挿します。
3、発根までの期間が短いので、隣り合った株と葉が触れあっていても大丈夫です。
新芽が伸びたら1株ずつ植え替え、摘心して腋芽を伸ばすと、こんもりとした株姿になります。
その他の手入れ
剪定
成長が旺盛なアロマティカスは、定期的に剪定を行うことで、形を整え、健康的な成長を促します。
特に、花が咲いた後は、花茎を切り取ることで、次の成長にエネルギーを集中させることができます。
冬越し
冬は成長が鈍くなるため、室内で育てる場合は温かい場所に移し、肥料を控えめにします。
必要に応じて、水やりも減らします。
まとめ
アロマティカスはその美しい見た目と香りから、家庭の中で人気のある観葉植物です。
適切な環境で育てることで、長い間楽しむことができるでしょう。
また、挿し木による増殖も簡単で、多くの株を手に入れることができます。
植物の成長を楽しみながら、アロマティカスを育ててみてください。