コーヒーの木(コーヒーノキ)は、観葉植物としても人気があり、その美しい葉と独特の風合いが家庭やオフィスの空間を彩ります。
ここでは、コーヒーの木の育て方や増やし方について詳しく解説します。
内容は、コーヒーの木の基本情報、育てるための条件や栽培方法、病害虫対策、そして増やし方について説明します。
コーヒーの木
育てるための条件
・日光:コーヒーの木は明るい間接光を好みます。
直射日光に当たると葉焼けを起こすことがあるため、室内ではカーテン越しの光が当たる場所に置くのが理想です。
・温度:最適な成長温度は20〜25℃です。
寒さに弱いため、冬季は10℃以下にならないように注意が必要です。
・湿度:高湿度を好むため、乾燥しやすい室内環境では加湿器を使用するか、葉水を行うとよいでしょう。
・土壌:水捌けの良い土壌が理想です。
市販の観葉植物用土や、パーライト、腐葉土を混ぜたものを使用すると良いでしょう。
・水やり:土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
根腐れを防ぐため、過湿には注意しましょう。
基本情報
[科名]
アカネ科
[原産地]
エチオピア
[日当たり]
日なたを好む
[冬越し温度]
最低10°C以上
コーヒーの木は1m以上に生長し、幹が十分に太ると、赤い実をたくさん付けます。
実は赤く熟す種類のほか、黄色や褐色になる種もあります。
ミニ観葉や小〜中鉢仕立てでもよく出回ります。
名前の由来や品種の特徴
コーヒーの木の仲間は、熱帯アフリカやアジアに自生します。
濡れたような光沢のある葉が美しく、ジャスミンに似た香りの白い花を多数咲かせます。
果実から種子を採って乾燥させ、焙煎したものがおなじみの茶色のコーヒー豆です。
鉢物として多く流通するのは、ラテンアメリカを中心に最も生産量の多いエチオピア原産のアラビカ種です。
ミニ観葉として出回るのは、わい性の園芸種もありますが、多くはアラビカ種のタネをまいて育てた実生苗か挿し木苗です。
自生地での様子
アラビカ種は生育によっては10mほどにもなる常緑樹です。
栽培下での生長の様子
樹が小さなうちは耐陰性が高いので、日当たりの悪い場所でも楽しめます。
実を楽しむ場合は、よく日の当たる場所に置いて1m以上の大株に育てましょう。
育て方のポイント
苗の選び方
健康な苗を選ぶことが重要です。
葉が艶やかで、虫の気配がないものを選びましょう。
鉢の選定
最初は小さめの鉢から始め、成長に応じて徐々に大きな鉢に移し替えます。
鉢底には排水穴があるものを選びます。
植え付け
植え付け時は、根を傷めないように慎重に扱います。
土をしっかりと押さえ、周囲の空気を抜きます。
肥料
成長期には、2ヶ月に1回程度、液体肥料を与えると良いでしょう。
ただし、肥料の与えすぎには注意が必要です。
剪定
不要な枝や葉を剪定することで、風通しをよくし、成長を促進します。
特に混み合っている部分を中心に整えましょう。
[置き場所]
年間を通じてよく日の当たる場所で育てます。
夏に屋外に出す場合、徐々に慣らして直射日光に当てますが、苗のうちは半日陰に置きます。
冬はできれば15°Cを保つと生育が安定します。
[水やり]
春と秋は鉢土の表土が乾いたら与え、夏は表土が乾き始めたら早めに与えます。
冬は表土が乾いてから1日くらいおいて与えましょう。
病害虫対策
コーヒーの木は、いくつかの病害虫に罹る可能性があります。
・アブラムシ:歯の裏に付着し、栄養を吸い取ります。
早期発見し、葉水や石鹸水を使った防除が有効です。
・ハダニ:乾燥した環境で発生しやすいため、湿度を保つことで予防できます。
また、葉水をかけることも効果的です。
・白絹病:水捌けの悪い土壌が原因で発生します。
土壌の温度を上げたり、根腐れを防ぐために水やりを注意深く行いましょう。
仕立て直しと増やし方
コーヒーの木は挿し木や種子で増やすことができます。
以下ではそれぞれの方法について解説します。
挿し木
健康な枝を選び、10〜15cm程度にカットします。
カットした部分を水に浸して根を出させるか、挿し木用の土に植えます。
根が出るまで湿度を保ち、直射日光を避けるようにします。
種子
新鮮なコーヒーチェリーから種子を取り出し、水洗いして乾燥させます。
種子は表面が乾燥してから土に植えます。
発芽には温暖な環境(25℃前後)が必要ですので、温度管理に注意しましょう。
その他
根詰まりした株は、細い枝や込み入って伸びた枝を間引いてから、ひと回りかふた回り大きな鉢に植え替えます。
切り落とした枝を利用して挿し木も可能です。
充実した部分の枝を10㎝ほど切り、大きな葉は約半分に切ってから挿し床に挿します。
タネは採取した時にまいて15°C以上に保温すると、すぐにミニ観葉として楽しめます。
根詰まりした株は鉢増しする
日当たりがよく水が不足していないのに、下葉が落ちたり葉先から枯れ込むのは根詰まりのサインです。
1、下葉が落ちて葉先から枯れ込んできた株は、水を与えてもすっとしみ込まず
根詰まりしていることがうかがえるので、新しい用土で植え替えます。
樹高の半分から下の枝と葉を落とし、スタンダード仕立てにするのも一法です。
2、鉢から抜くと、土が見えないほどに根がいっぱいに張り、ねつまりしている株は、根鉢を叩いて古い土を落とし、根を少し崩します。
3、2本の株が寄せ植えされているため1本ずつ新しい鉢に植え替えても良いが、やや寂しい印象になります。今回は分けずにこのまま根を1/3ほど落としてから、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
4、排水性をよくするため、鉢の深さの1/5程度までゴロ土を入れます。
少量の用土を入れてから、株を垂直にすえ、用土を足していきます。
葉先の枯れた葉は葉柄ごと切り取ります。
6、上方向の生長を抑えて枝数を増やすため、頂点の新芽を摘み取って摘心する。
7、たっぷりと水を与えて、植え付け完成です。新芽が出てくるまでは、明るい日陰で管理しましょう。
8、いきいきとしてツヤのある新葉が出て、順調に生育を始めているのがわかります。再びこんもりとした樹形になったら、1本ずつ分けて植え替えをするとよいです。
まとめ
コーヒーの木は、美しい葉と特有の魅力を持っており、適切な環境とケアがあれば、家庭で楽しむことができます。
明るい間接光、適度な湿度、適切な水やりと肥料によって、健康的に育つことでしょう。
また、病害虫にも注意を払い、早期対応を心がけることが大切です。
挿し木や種子による増やし方を実践することで、さらに多くのコーヒーの木を楽しむことができます。
初心者でも取り組みやすい観葉植物の一つですので、ぜひ挑戦してみてください。