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観葉植物アジアンタムの育て方や増やし方、仕立て直しの方法まで詳しく解説

アジアンタム(Asplenium nidus)は、シダ植物の一種で、特にその美しい葉と独特の形状から観葉植物として非常に人気があります。

この植物は、熱帯地域原産で、室内のインテリアとしても広く利用されています。

アジアンタムの育て方や増やし方について詳しく解説します。

アジアンタム

基本情報

アジアンタムは、シダ植物の中でも特に鑑賞価値が高い品種で、特徴的なロゼット状の葉を持っています。

葉は光沢があり、深い緑色をしており、部屋の雰囲気を一層引き立てます。

アジアンタムは、成長が早く、適切な環境で育てると非常に健康的に成長します。

[別名]
ホウライシダ、クジャクシダ

[科名]
ホウライシダ科

[原産]
熱帯アメリカ

[日当たり]
半日陰

[冬越し温度]
最低5°C以上

名前の由来や品種の特徴


アジアンタムの名は、葉に霧を吹いても水をはじいて濡れないところから、「湿らない」を意味するギリシャ語に由来して名付けられました。

葉が細かいアジアンタム・ラディアナム(ホウライシダ)の園芸種「ミニマ」や「フリッツルーシー」

葉と株姿が大きめのアジアンタム・ペダツム(クジャクシダ)、小さい葉が粗く付くアジアンタム・テネルム

葉がごく大きい(小羽片が2〜4㎝ほど)アジアンタム・トラペジフォルメなど多くの品種が出回っています。

自生地での様子

湿度が高く、日が強く差さない森の下に生えています。

株全体が大きく茂り、ラディアナムは高さ80㎝ほどに生長します。

栽培下での生長の様子

ボリュームが増し、枝が長く伸びるとしだれるように生長します。

大鉢植えなら葉が大きな種、小鉢やミニ仕立てなら葉が小さな種を選びましょう。

育て方のポイント

置き場所

:アジアンタムは、明るい間接光が最適ですが、直射日光には弱いため、日陰や明るい室内で育てるのが理想的です。

窓際に置く場合は、カーテン越しに光が当たる場所が良いでしょう。

耐陰性もありますが、暗い場所に長く置くと、間延びして軟弱な株に育ちます。

温度:温度は20℃から25℃が適しています。

寒さには弱いので、冬季には最低でも10℃以上を保つようにしましょう。

寒冷地では、室内で育てることが推奨されます。

湿度:アジアンタムは高湿度を好むため、湿度を保つことが重要です。

特に冬場は暖房の影響で湿度が下がりやすいため、霧吹きで葉に水をかけたり、加湿器を使用することをお勧めします。

土と鉢

アジアンタムには、水捌けと通気性の良い土が必要です。

市販の観葉植物用の土や、ピートモスとパーライトを混ぜたものが適しています。

また、鉢は排水穴があるものを選び、根腐れを防ぐために水捌けを確保しましょう。

水やり

アジアンタムの水やりは、土の表面が乾いたら行います。

過湿にならないように注意し、鉢底から水が流れ出る程度にしっかりと水を与えます。

冬季は成長が鈍るため、水やりの頻度を減らすことが重要です。

春から秋は表土が乾く前に与え、冬は表土が乾いてから与えます。

乾燥すると葉がチリチリになり枯れるので、まめに霧吹きで霧水を与え、夏は葉水を与えましょう。

肥料

アジアンタムには栄養が必要ですが、過剰な肥料は逆効果です。

春から夏にかけて、成長期には薄めた液体肥料を2〜4週間に1回程度与えると良いでしょう。

秋以降は肥料を控えめにし、冬季は与えないようにします。

春に緩効性肥料を与えるか、春から夏に薄めの液肥を与えます。

病害虫管理

アジアンタムは比較的病害虫に強いですが、時々害虫が発生することがあります。

特に、アブラムシやハダニ、カイガラムシがつくことがあるため、定期的に葉の裏をチェックしましょう。

見つけた場合、葉を水で洗い流すか、適切な殺虫剤を使用して対処します。

屋外に出した株はナメクジの被害に注意しましょう。

仕立て直し


株が大きく育ってバランスが崩れたり根詰まりして葉色が悪くなった株は、4〜7月に植え替えます。

根鉢を1/3ほど切ってから同じ鉢に植えるか、株分けしましょう。

強光に当てたり乾燥した場所に置くと、葉がチリチリになって枯れてきます。

思いきって地ぎわまで切り戻し、ビニール袋などに入れて保湿して日陰に置くと、約1ヶ月で新芽が出ます。

まめに霧水を与えて育てる


葉がごく薄いため、保水力があまりありません。水やりを忘れないようにし、まめに霧水を与えて育てましょう。

水やりが遅れると、葉先が垂れて内側に丸まってきます。

万が一水やりが遅れた場合も、葉がチリチリになる前の萎れた程度なら、半日ほどで回復します。

鉢土に水を与え、ビニール袋に入れて霧吹きで霧水を与えてから日陰に置いておきましょう。

株が元気になっても葉先が元に戻らない場合は、枯れた部分を切っておきましょう。

葉が黒く枯れたら切り戻す

強光に当てたりエアコンの風が当たるなど、環境の変化で葉が黒っぽく枯れた株は、枯葉を切り戻します。


、水やりが不足していなくても、季節の変わり目や寒さや風に当てたり乾燥させたときに、葉が黒く枯れることがあります。

それまでと違った場所に移動した場合も、同様に枯れることがあります。


、枯れた枝や折れた葉は根元から切ります。


、乾燥させないようにまめに霧水を与えながら、レースのカーテン越しくらいの日光に当てて管理します。


、半月ほどで、元の株と同じくらいにまで生長します。


、株が順調に生長し、約2ヶ月後にはふんわりと葉がしだれるほどに大きくなります。5〜8月は薄めの液肥を与えて育てましょう。

被害が大きいときは株元で切り戻す

葉が枯れた分量が多くダメージが大きい場合には、思いきって株元から切り戻して仕立て直しましょう。


、植え替えが遅れたために根詰まりを起こし、水を与えても吸収できずに水切れしたような被害が大きい株は

仕立て直しをして新しい用土で植え替えます。

アジアンタムはほかの要因でも葉がチリチリに枯れるトラブルが起きますが、同様に対処しましょう。

※手入れが悪かったり、植え替えが遅れると


葉色が全体に淡くなり、先端から茶色に変色して枯れ込んできます。

株元に出た雑草をそのままにしておくと、鉢内に雑草の根がはびこるので注意です。


古い葉ばかりになり、新芽が伸びてこなくなります。

[株を切り戻す]


、地ぎわから3㎝ほど残して、葉を全て切り捨てます。

新芽が出ている場合には、新芽を切らずに残した方が回復が早いです。

[植え替える]


、鉢から株を抜く、株が抜けにくい時には、鉢底穴に親指を入れて押し上げながら、鉢を軽く床に叩きつけると良いです。


、鉢から株を抜いたら、根鉢が固くなっている場合こぶしで叩き、古土を落とします。


、指でほぐすようにしながら、古く傷んだ根を1/3ほど古土と一緒に落とします。


、鉢底に鉢底ネットを敷き、ゴロ土を入れます。根鉢の分量に合わせて用土を入れます。



、根の周囲に用土を足し、割りばしなどを土に挿し、前後に揺すって沈んだ分の用土を足し、土の間の隙間をなくします。


、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えて植え付け完了です。

[保湿の工夫]


、新芽を伸ばすには、湿度を保って管理するのがポイントです。水やりの後、鉢をゴミ袋などの大きなビニール袋に入れ、空気を入れてふんわりと結びます。1〜2週間は明るい日陰に置き、まめに霧水を与えながら管理しましょう。

[生長の様子]


10、植え替えから2週間が経つと、きれいな緑色の新芽が出てきます。

ある程度の大きさになれば、ビニール袋から出して大丈夫です。

明るい日陰に置き、まめに霧水を与えながら管理しましょう。


11、切り戻しをしてから1ヶ月半くらい経つと、外側の葉がしだれるくらいまでに生長します。

こんもりと株が育ち、観賞できるまでに生長していると思います。


この後も、直射日光は避け、曇りガラスを通したくらいの日に当てた方が元気に育ちます。

ポイント

[まめに霧水を与え、自生地の環境を再現しよう]


アジアンタムは、自生地では霧が立ち込めるような場所に生育しています。

家庭で育てる場合も、できるだけ同じような環境をつくってやることが大切です。

理想的には、株の周囲に霧を吹いて空中湿度を高めるのがよいのですが、室内に飾る場合はそうもいかないものです。

ベランダやキッチンなど、周囲が濡れてもよい場所に株を移動し、葉に霧を吹きましょう。

室内の乾燥を防ぐために加湿器を利用するのもよいですが、加湿器から出る霧が株にかからないようにしましょう。

その場合も、ときどき霧水を与えながら育てます。

[葉の表と裏に霧を吹く]
霧水を与えるときは、葉の表と裏の両方に霧を吹きます。できるだけ遠くから、やさしい霧水を株全体にかけるのがポイントです。

[ビニール袋に入れて霧を吹くのも手です]


周囲を濡らしたくないときは、ゴミ袋などを利用し、袋の中に株を入れて霧水を与えるのも一つの方法です。

増やし方

アジアンタムの増やし方には、主に以下の方法があります。

株分け

アジアンタムは、成長した株を分けて増やすことができます。

春に鉢をひっくり返し、根を傷めないように注意しながら株を分け、新しい鉢に植え替えます。

この方法は、比較的簡単で、確実に増やすことができます。

スポロウ(胞子)

アジアンタムは胞子で繁殖することもできますが、発芽までに時間がかかるため、初心者にはあまりお勧めできません。

胞子を採取し、湿った土に撒いて管理します。

発芽後は、通常の育て方と同じように育てていきます。

その他の注意点

アジアンタムは、風通しの良い場所を好むため、密閉された空間では育てにくくなります。

できるだけ換気を行い、湿度が高く保たれるように心がけましょう。

葉の手入れ:アジアンタムの葉は、ホコリがたまりやすい為、定期的に湿った布で拭いてあげると良いでしょう。

これは、光合成を助け、植物の健康を保つためにも重要です。

まとめ

アジアンタムは、美しい葉と独特の形状を持つシダ植物で、手入れが簡単なため初心者にもお勧めです。

明るい間接光、高湿度、適切な水やりと肥料管理を行うことで、健康に育てることができます。

増やし方も株分けや胞子で行うことができ、楽しみながら育てることができるでしょう。

正しい方法で育てれば、アジアンタムは長い間あなたの空間を彩ってくれることでしょう。

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