芝の植え付けと手入れ
和洋どちらの庭にも合うグラウンドカバーの代表格が芝生です。
日本で使われている芝は約20種類あり、美しい芝生に育てるには
まず地域の気候に合った種類を選ぶことが重要です。
芝には「暖地型芝」と「寒地型芝」の2つのタイプがあり、それぞれ生育サイクルや管理方法が違います。
寒地型は寒さに強く冬も緑を保ちますが、夏の高温多湿や病気に弱いため、栽培適地は北海道や東北などの寒冷地に限られます。
関東地方以西では、冬には地上部が枯れてしまいますが、夏の暑さや乾燥に強い暖地型が適しています。
庭植えで最も使われている日本原産のコウライシバやノシバは暖地型です。
丈夫で育てやすく、緻密で美しい芝生ができます。
芝の苗(ソッド)の選び方
芝苗は通常、約28㎝×36㎝にカットされたもの(ソッド)が10枚1束(約1㎡分)で春先に出回ります。
新しいことが絶対条件で、乾いて枯れておらず、束の間が蒸れてないものを選びます。
[芝生の庭]
緑が美しい芝生の庭を主にするときは、草花や樹木はあまり植えない方が引き立ちます。
シンボルツリーくらいに抑えると、日当たりもよく、狭い芝生でも広々と感じられます。
芝生には、広々とした一面のグリーンを楽しむ以外に、草花などを引き立てる効果もあります。
張り方のパターン
芝の張り方には「平(ベタ)張り」、「目地張り」、「市松張り」などがあります。
一般の家庭で行う場合は、ソッドとソッドの間を3㎝くらいあけて張る、目地張りがオススメです。
[市松張り]
ソッドを市松模様に並べる方法、材料は平張りの半分ですむが、完成まで2〜3年かかり雑草が出やすいです。
[目地張り]
ソッドとソッドの間を3〜4㎝あけて、すき間を土で埋めていく方法です。
[平張り]
ソッドをすき間なく並べる方法で、最初から完成状態になるが、多くのソッドが必要になります。
[条張り]
間隔をあけてソッドを筋状に、1列のストライプ模様になるように並べる方法です。
平張りより費用は安いですが、完成までに3年くらいかかります。
日本シバと西洋シバ
日本シバは暖地型シバと呼ばれているもので、ノシバやコウライシバがあり、家庭や公園などに広く普及しています。
西洋シバは寒地型シバで、冬に美しい緑が楽しめ、種をまいて芝生を作ります。
[ペントグラス類]
ゴルフ場のグリーンに多用されている西洋シバの一つです。
成長が早く、小型で繊細。
美しい芝生をつくるが暑さや乾燥に弱く、病気にかかりやすいので家庭用には不向きです。
[コウライシバ]
日本原産のシバの一つです。
夏によく生育し、冬は地上部が枯れます。
シバ質が緻密で美しい芝生を作ります。
寒さに弱く栽培に適するのは東北南部までです。
シバ張りのポイント
シバの植え付け適期は3〜4月です。
十分に日光が当たる場所を選んでよく耕し、水はけがよく、養分に富んだ土作りをしてから植え付けます。
日陰や多湿、養分が少ないと生育不良となって枯れたりします。
植え付け後はたっぷりと水を与え、苗と土をなじませます。
春〜秋の生育期間中は、こまめな除草と芝刈り、施肥が欠かせません。
シバの張り方手順(目地張り)
1、根がよく張れるように、ショベルの肩が隠れるくらいに20〜30㎝ほど掘り起こし、よく耕します。
2、レーキで土の塊を砕きながら小石や雑草をとり、平らにならします。
3、さらにトンボでならしながら、水はけがよくなるように表面にゆるやかな傾斜をつけます。
4、3〜4㎝の間隔をとり、ソッドを端から並べていきます。板切れを使うと目地の幅が揃います。
5、敷き終わりの部分は、すき間に合わせてソッドをハサミで切り、すき間を埋めます。
6、並べ終わったら苗と用土が密着するように、板の上から強く踏み固めます。
7、目地に目土を詰めこむように入れていきます。
8、ホウキで掃きながら、目土が葉と葉の間に入るように均等にならします。
9、シバと土がなじむように、目の細いノズルをつけたホースで苗の裏までしみこむまで十分に水を与えます。
10、これで芝庭の完成です。
芝生の手入れ
青々とした美しい芝生を保つには、定期的な管理作業が必要です。
芝生の専用手入れ道具を使って、芝生を若返らせる「更新作業」を行います。
[芝刈り]
生育期間中の4〜10月は月2〜3回、3〜4㎝の高さにシバを刈りこみます。
[芝生の雑草とり]
雑草によって芝生が傷められるので、見つけたら根ごと小カマなどで抜き取ります。