ガーデニングの楽しみや喜びに水を差すのが、害虫の存在。
せっかく育てた植物たちに被害が及ぶのは、できるだけ避けたいものです。
また、害虫の姿を見るだけで不快感を覚えるという人も多くいますね。
害虫との出会いに悩むことのないよう、事前の予防策や駆除方法を知っておきましょう。
ガーデニングにつきものの害虫!増える原因は?
屋外で植物を育てている以上、害虫をまったく寄せ付けない環境というのも不自然です。
しかし、特定の害虫が多く発生すれば、植物の美しい姿や健康を損なうことになってしまいます。
ガーデニングをしている場所に害虫が増えてしまうのには、原因があります。
大きな理由としては、害虫が生息しやすい条件が整っていること。
よく虫を見かけて困るという人は、次のようなことに心当たりがありませんか?
・日当たりがよくない
日光は植物の生育に大切な要素です。
植物には直射日光を好むものも日陰を好むものもありますが、それぞれの性質に応じた日照が不足していれば、元気を失い害虫への抵抗力が弱くなってしまいます。
・乾燥のしすぎやジメジメ
乾燥の激しい場所や、逆に湿って常にジメジメした場所を好む害虫がいます。
水やりの頻度や水はけの状態が合っていないと、害虫にとって快適な場所となります。
・植物を連作している
連作とは、場所を変えずに同じ植物を作り続けることです。
連作すると、土壌の養分が不足して植物自体の生育が悪くなる上、その植物を好む害虫が土の中に潜んだまま翌年も残るので、多く発生しやすくなります。
快適なガーデニングのための害虫予防策
害虫が発生すれば、植物を守るために駆除しなければなりません。
リスクを避け、手間を省くためにも、事前の予防策を取っておきたいものですね。
害虫を予防するためには、まず植物が健康であることが第一です。
そのためには、よい土作りをしておくこと。腐葉土や堆肥を適度に使用して耕し、水はけ、水もちのよい土壌環境を作っておきましょう。
また、植物が元気に育つかどうかは、苗選びの段階から影響してきます。
葉に茶色い部分がなくきれいな緑色をしているもの、ポット下から根を出している元気な苗を選ぶようにしてください。
植える時には連作となる場所を避け、日当たりを考慮して株の間隔をしっかりと取ります。
適度な水やりを心がけ、株元だけでなく葉にもかけるようにすると、乾燥好きな害虫の予防になります。
そして、葉が茂り過ぎてきた場合には、適宜切り戻して通気性をよくしておきましょう。
発生してしまった害虫の駆除方法
それでも発生してしまった害虫は、駆除するしかありません。
植物の周辺に集まってくる害虫には、さまざまな種類がいます。
代表的な害虫に対する駆除方法を知り、いざという時に備えておきましょう。
・アブラムシ
アブラムシは、葉や茎に寄生して、汁を吸う小さな虫です。
1つ1つは小さいものの、卵を産んでどんどん増え、集団化する傾向があります。
栄養を吸い取られた植物は、生育や花付きが悪くなります。
また、生息には排泄物や脱皮殻を伴い、見た目を損なうだけでなく、すす病など病気のきっかけとなることも。
まだあまり数が多くなければ、ガムテープの粘着力でくっつけて取り除きます。
デリケートな性質の植物には、ガムテープよりもセロテープがおすすめです。
環境に優しい方法として牛乳や薄めた木酢液をスプレーで吹きかけるのがよいと言われていますが、大発生した時には市販の薬剤に頼るのが効果的です。
・カイガラムシ
やはり植物の汁を栄養源とする害虫です。
新芽の伸びや花付きに影響するほか、排泄物が病気を招く原因となります。
その名の通り、成虫となれば貝殻に似た姿。
分泌物によって体表が殻のようなものに覆われた状態となります。
こうなると、一般の薬剤はあまり効きません。
できれば幼虫の段階で発見し、駆除したいものです。
5~7月に幼虫を見かけたら、カイガラムシ専用の薬剤を散布しましょう。
成虫となったものは、直接古歯ブラシなどを当ててこすり落とします。
大量発生してしまった枝は、ほかへの被害を防ぐために、思い切って切り落としてしまいます。
・毛虫・青虫
成長すれば蝶や蛾となる虫です。
蝶、蛾の仲間が多いだけに、種類はさまざまで、蜘蛛の糸のような巣に生息するものや毒を持つものもいます。
日中は葉裏などに潜み、夜になると活発に食事するものが多く、油断していると、葉がすっかりなくなってしまうこともあります。
周辺に黒い糞を残していることがあるので、探す時の目印としましょう。
うっかり触ることのないよう手袋をして、葉裏を返してみます。
発見した毛虫、青虫は、割りばしやピンセットなどで挟んで取るのが駆除の手っ取り早い方法です。
数が多い時の駆除には、木酢液か薬剤を利用しましょう。
・クサギカメムシ
カメムシの一種で、ガーデニングの折にもよく見かける種類です。
カメムシとしては大型で、角ばった五角形の姿が特徴的です。
植物に針を挿して養分を吸い取るため、栄養を奪われた植物は弱り、枯れる場合や奇形となることもあります。
新芽や葉のほか、果樹も好み、せっかく実りかけた果実が完熟に至る前に落ちることも。
身に危険を感じると悪臭を発生させる性質があるので、駆除には注意が必要です。
早朝の活動が鈍い時を見計らって、作業を行うようにしましょう。
クサギカメムシのいる植物に軽い衝撃を与え、地面に落とします。
そして、落ちた虫を靴の裏で踏みつけるか、ガムテープに付着させて取り除きます。
大量に発生したものには薬剤の散布で対処しましょう。
・ナメクジ
ヌメヌメとした姿形が印象のよくないナメクジ。
野菜はもちろん花全般を好んで食べるので、育てた植物が台なしになってしまうこともあります。
被害のあった植物の周辺に白く光る筋が残っていれば、ナメクジが這っていった痕跡。
近辺の鉢や落ち葉の下など、ジメジメしたところを覗いてみると、発見できるかもしれません。
見つけたら、割りばしなどを使って処分しましょう。
ナメクジ退治法でよく聞くのは、塩をかけ浸透圧で縮ませるという方法ですが、大切な植物に影響が及ぶ場所であれば塩を使うわけにもいきません。
すばやく熱湯を用意してかけると確実に退治できます。
まとめ
ガーデニングをする以上、害虫との関わりを一切避けるわけにはいきません。
経験を積み重ねていくうちに苦手な害虫相手にも適切な対策を取れるようになります。
害虫対策を少しでもスムーズにし、大切な植物たちとの付き合いを守ってくださいね。