サンセベリア
[別名]
トラノオ、チトセラン
[科名]
リュウゼツラン科
[原産地]
メキシコ
[日当たり]
日なたを好む
[冬越し温度]
最低5°C以上
斑の入り方や色の違いで、さまざまな表情を見せます。
大きくなると1mほどにもなるサンセベリア・スタッキー(ツツチトセラン)などいろいろな種類があります。
名前の由来や品種の特徴
トラノオ(虎の尾)の名で古くから親しまれています。
原種のアツバチトセラン(サンセベリア・トリファスキアータ)が元になって多くの園芸種があり
黄色の斑が入る「ローレンティー」、小型の「ローレンティーコンパクタ」などが出回るほか
白斑が縦に入るシロシマチトセランなどさまざまな種があります。
自生地では葉から繊維を採って利用されています。
自生地での様子
日当たりのよい乾燥した場所に自生し、トリファスキアータなどは1mほどの高さに生長します。
地下茎から子株をたくさん出し、横方向にも広がって増えます。
栽培下での生長の様子
生育が旺盛で、生長期には株元からどんどん新芽が出て葉数が増え、倒れやすくなります。
鉢の中では地下茎が横に伸び、そこから子株が直立して育つため、すぐに鉢がいっぱいになります。
育て方のポイント
[置き場所]
室内では日光が当たるところに置きましょう。
夏に屋外に出す場合は、半日陰に置きます。
耐陰性があるので日当たりが悪くても育ちますが、葉色が悪くなったり軟弱になります。
冬は10°C以上の場所が適しますが、水を切って休眠状態にすれば5°C程度でも越冬します。
[水やり]
5〜9月の生長期には、表土がやや乾いたらたっぷりと与えます。
10月頃から徐々に水やりの頻度を減らし、冬は与えずに休眠状態にします。
多少葉にシワが入ることがありますが心配いりません。
気温が上昇して徐々に水やりの回数を増やすと、再び元に戻ります。
[肥料]
春に緩効性肥料を与えます。
[病害虫対策]
まれにカイガラムシがつくことがあります。
仕立て直しと増やし方
生長が早いので、2年に1回は植え替えましょう。
株を1〜3節ずつ切り分けてから、鉢の中央に植え付けます。
葉挿しをして、一度にたくさんの株を増やすこともできます。
ただし斑が消えることもあるので、気に入って選んだ斑入り種は株分けで増やしましょう。
株がいっぱいになったら株分けする
次々と新芽が出て鉢がいっぱいになったら、大きな鉢に植え替えるか株分けしましょう。
1、数年植え替えずに育てた株は株が鉢の縁いっぱいまで育っており
新芽の伸長するスペースがありません。株分けして、新しい用土で植え付けます。
2、傷ついた葉があるときは、根元から切ります。
根が鉢いっぱいに回って抜けにくいときは、鉢を叩くと抜けやすくなります。
3、ほとんど土が見えないほど、根がいっぱいになっていると思います。
根鉢の上に緑色に見えているのが地中にできた子株なので、根を付けて切り分けましょう。
4、古土を落とし、1〜3株ずつハサミで切り分ける。
葉が重く倒れやすいので、やや深めに植え込みます。
5、鉢底にゴロ土を入れてから植え付ける。
6、たっぷりと水を与えて植え付け完了です。ここでは1株ずつ植えましたが、数本を寄せ植えしても良いです。
一度に増やすには葉挿しする
一度にたくさんの数を増やしたいときは、葉挿しをして増やします。
傷が付いてしまった葉を利用するのもよいでしょう。
1、傷が付いて葉は再びきれいな姿には戻らず、見た目が悪いです。
切り捨てるしかないが、これを利用して葉挿しをすればたくさんの株が増やせます(ただし、斑入り種は緑葉に戻る)。
2、傷が付いていない部分を、5〜10㎝ほどに切り分けます。
後で上下がわからなくなりやすいので、下部に印をつける。
3、新聞紙の上などに並べ、風通しのよい日陰に数日置いて切り口を乾かす。
4、挿し床を十分湿らせる、葉の1/3くらいを斜めに挿し、土を押さえます。
5、直射日光の当たらない風通しのよい場所で管理をしましょう。
挿した葉が倒れないように、そっと水を与えながら育てよう。
6、約2ヶ月後、鉢底から根が伸びて順調に生長しているのを確認したら、はしなどを使って掘り上げます。
7、葉の切り口から、根が伸びていると思います。
通常は1ヶ月ほどで発根する、根が出たかどうか心配な場合は
3ヶ月から半年後に新芽が伸びてきてから掘り上げてもよい。
8、これから新芽が伸びる方向にスペースを取って植え付けましょう。
寄せ株が生長したら植え替える
店先に並ぶ鉢は、いくつかの株を寄せ植えされていることが多いもの。
生長したら植え替えましょう。
1、棒状のスタッキーなどは、たいてい数本を寄せ植えして市販されているもの。
見た目はよいが、新芽の伸びるスペースがないことが多いです。
生長したら寄せ植えを崩し、新しい用土で適当なスペースをあけて植え付けましょう。
2、鉢から抜くと新芽が鉢縁いっぱいに伸びていると思います。
3、絡まって伸びた根を慎重にほぐしながら、古い土を落とします。
4、すべての株を分けると、太い株から地下茎が伸びて、子株が生長していると思います。
5、子株を親株から切り離す。
枯れた葉があるときは、切り捨てます。
6、鉢底にゴロ土を入れてから、用土を少量入れます。
数本をまとめて植え付けます。
7、たっぷりと水を与えて植え付け完了です。
今までと同じ大きさの鉢には親株を、やや小さな鉢に子株を寄せて植え付けます。
サンセベリアは横に伸びる植物!?
「店先で見かけるサンセベリアは、鉢の中央に株がまとまってすっきり見えるのに、うちの株は・・・」と思うことはありませんか?
「鉢の縁ばかりに新芽が出て、上から見ると中央にぽっかり穴が空いている」というケースも多いもの。
実は、これは当然のことなのです。
サンセベリアは地下茎で増える植物です。
地下茎は横方向に伸びるため、鉢で育てると鉢の縁でいき止まり、鉢の周囲に沿って伸長します。
そこから新芽が上に向かって垂直に伸びるので、どうしても鉢縁近くに新芽が出ることになるわけです。
店先で見かけるサンセベリアは、鉢の中央に数株を寄せてあることも多いもの。
スリムな印象なので上方向に伸びることに注目しがちですが、地中では横方向に広がって伸びているといえるでしょう。