種から育てる楽しみ、失敗しない種のまき方とまき時

スポンサーリンク

お庭やプランターでガーデニングでもしようかなと思い、いざ種を購入したもののタネのまき方がわからない・・・

そんなことのないようまき方をまとめてみました。

タネから育てる楽しみ

市販の花つきのポット苗を購入すれば手軽に花壇に植えたり、寄せ植えなどが作れます。

しかし売られている苗の種類は以前よりふえたとはいえ、育てたい品種があるとはかぎりません。

珍しい品種などは自分でタネをまいて育てなければなりません。

手間がかかりますが、タネから育てればたくさんの苗が作れ、ポット苗を購入するのに比べてはるかに安価です。

また、一般にタネから育てた苗は生育旺盛で丈夫です。

愛らしい芽を出し、少しずつ育つ姿を見る感動も味わえることでしょう。

労を惜しまずにタネから育てることをオススメします。

春のタネまきはソメイヨシノが咲くころ、秋は彼岸前後の2週間を目安に行います。

失敗しないタネの採種

実が熟すまで待っていると鳥に食べられたり、はじけて飛んでしまったりするので、袋をかけるなど工夫をしましょう。

[ホウセンカのタネとり]

すぐにはじけるので、実が褐色に色づきはじめたら袋をかぶせておきましょう。

[ネギのタネとり]

よく熟したタネを採種するためネギ坊主にネットをかぶせます。

タネの寿命

タネにも寿命があります

一般的には2〜3年ですが、ホウセンカやアサガオのように5年程度、ワスレナグサやトレニアは1年程度など、植物の種類によって発芽する能力の持続期間が大よそ決まっています。

ただし、保存はきちんとしましょう

種類別寿命

[1年程度]
・カルセオラリア ・トレニア ・スイートアリッサム ・フロックス、ドラモンティー ・ワスレナグサ ・球根ベゴニアなど

[2年程度]
・フレンチ ・マリーゴールド ・コスモス ・ジニア ・アゲラタム ・リナリア ・ハゲイトウ ・ロベリア ・アスター ・カーネーション ・プリムラ類 ・パンジー ・ペチュニア ・バーベナ ・マツバボタンなど

[3年程度]
・デージー ・ヤグルマギク ・キンギョソウ ・ハナビシウ ・ニチニチソウ ・ストック ・シクラメン ・スカビオサなど

[4年程度]
・ヘリアンサス ・キンセンカなど

[5年程度]
・ホウセンカ ・アサガオなど

タネの採取と保存

ほとんどの植物はタネができます。

採取してタネをまいても親と同じものが得られるとはかぎりませんが、どんな花が咲くか楽しみもあります。

ハナミズキなどは採取したタネをまくと、いろいろな花色、花形の個体が誕生します。

採取したタネは、乾燥した温度の低い場所で保存します。

[ひまわりの採種と保存]

1、タネが成熟し、葉が枯れて花が下を向いたら茎ごと切りとります。

2、しっかりと乾燥させて、手でとるか、網や棒でこすってタネを取ります。

3、袋に入れて涼しい場所で保管しましょう、湿気が多いとカビてしまいます。

残ったタネは来年もまける?

タネの寿命が1年程度のカルセオラリアやトレニア、ワスレナグサなどは、すみやかにまかなくてはなりませんが、保存状態がよければ多くの草花のタネは、翌年も種まきができます。

ただし、発芽能力が衰えていることもあるので、残ったタネは少し多めにまきましょう

まき残したタネは、再び絵袋に入れて乾燥剤とともにビンや茶筒に入れて密封し、冷蔵庫の野菜ボックスで保管します。

絵袋には購入した年月日、タネをまいた年月日を記入しておきます。

タネは冷蔵庫の野菜室で保管するとよいでしょう。

いろいろなタネとまき時

タネは、植物の種類によって大きさ、形、色などさまざまですが、皮が硬かったり、綿毛に包まれていたりしてうまく吸水できず、発芽がそろわないタネもあります。

そういったタネには発芽を促す処置を行います。

ただ、最近市販されている絵袋入りのアサガオやセンニチコウ、ホウレンソウなどは、あらかじめ発芽するように処理された品種が多く出回っています、その他、タネには光を好むもの(好光性種子)、嫌うもの(嫌光性種子)などもあり、それらによってもまき方や覆土の方法が違ってきます。

寒さに弱い草花は春にタネをまき、暑さに弱い草花は秋にまきます。

春は、十分に気温が上がって寒さの心配がなくなる5月初旬から、秋は気温が下がった9月にまくと失敗が少ないです。

いろいろなタネ

タネにはポピーのような非常に小さい粒のものから、ヒマワリのタネのように大きなものまで、植物によって大きさ、形、色が違うさまざまな形状のものがあります。

また、超小粒のタネをペレットでコーティングして扱いやすくした「ペレット種子」もあります。

[ペレット種子]

トルコキキョウのタネを粘土などでくるんで大きくし、まきやすくしたペレットコートずみのタネです。

[代表的な好光性種子と嫌光性種子]

[好光性種子]

発芽のときに光を必要とするタネ、3㎜以内に薄く覆土する

種類
・アゲラタム ・インパチエンス ・キンギョソウ ・コリウス ・セイヨウオダマキ ・デージー ・プリムラ類 ・ベゴニア ・センパフローレンス ・ペチュニア ・マトリカリア ・トルコキキョウ ・ジギタリス ・モモバキキョウ ・カルセオラリア ・ナデシコ ・ロベリア ・ハナタバコなど

[嫌光性種子]

光が当たると発芽しないタネ、5㎜程度に厚く覆土する

種類
・オジギソウ ・デルフィニウム ・ナスタチューム ・ニゲラ ・ニチニチソウ ・ハゲイトウ ・ハナビシソウ ・マツバボタン ・ラークスパー ・ルピナス ・ワスレナグサ ・ケイトウ ・ネモフィラなど

発芽処理をするとよいタネ

皮が硬かったり、綿毛に包まれているタネは、まく前に水に浸して軟らかくしたり、綿毛を取り除くと発芽がそろいます。

[タネに傷をつける]

アサガオは種皮を少し傷つけてからまく。

[水につける]

アサガオ、スイトピー、ルピナスなどの硬い種子は一晩水につけておく。

[綿毛をとる]

ワタ、センニチコウ、クレマチス、ローダンセなどは、砂とタネをまぜ、手でこすり合わせながら綿毛をとり除きます。

情報はタネの絵袋から得る

絵袋の裏や内側には、タネのまき方、発芽後の管理、植物の特性などが簡潔に記されています。

タネをまく前によく読んでおきましょう。

まき終わったら絵袋は捨てずに整理してファイルしておくとよい資料になります。

失敗しないタネのまき方

タネのまき方には、「点まき」「ばらまき」「すじまき」があり、タネを花壇や菜園、プランターなど育てる場所に直接まく「直まき」と、鉢や育苗箱、ポリポットなどの容器にまいて、芽が出たら小さな苗のうちに移植する方法があります。

移植栽培は手間がかかりますが、容器を移動させて雨や風から幼苗を守ることができるので、苗が順調に育ちます。

大粒のタネは一定の深さに開けた穴に1粒ずつまきます。

小粒のタネは厚紙の上にタネをのせ、紙の裏や手首を軽くたたいて振動させながら少しずつ落としていくと均一にまけます。

微細なタネは少量の砂と混ぜてまくと薄くまけます。

タネまき後は用土が乾かないように注意し、軒下などの雨の当たらないところで管理します。

タネのまき方と用土

まずは基本となるすじまき、点まき、ばらまきの3つのタネまきの方法を覚えておきましょう。

用土は肥料を入れず、新しい清潔なものを使用します。

[すじまき]

等間隔に溝をつけ、溝に1粒ずつまきます。

[点まき]

1カ所に1粒か数粒ずつ等間隔にまきます。

[ばらまき]

タネを一面にまく方法。

[タネまき用土の一例]

・市販の培養土 ・赤玉土小粒の単用 ・赤玉土と腐葉土の等量混合 ・赤玉土とパーミキュライトの統合混合など

大粒のタネや移植を嫌う植物のタネまき

ダイコン、ニンジン、スイトピー、ハナビシソウなどは太い根を地中にまっすぐ伸ばし、細かい根があまり出ない直根性です。

移植の時に根が切れると2股の奇形になったり植え傷みを起こすので直まきします。

あるいは根鉢を崩さずに定植できるポリポットや円盤型の圧縮ピートにまきます。

アサガオ、ヒマワリ、オシロイバナ、ヒャクニチソウなどの大粒のタネも直まきやポリポットにまきます。

[直まき]

くぼみをつけたまき穴にタネが重ならないように点まきする。

[ポリポットにまく]

1、指の第一関節の深さに穴をあけると均一の深さでタネがまけます。

2、穴にタネを落としたあとは、穴を塞ぐように覆土する。

[圧縮ピートにまく]

1、水につけてふくらんだ圧縮ピートに割り箸などでタネまき用の穴を広げます。

2、穴にタネを入れ、割り箸で土を寄せて覆土する。

中〜小粒なタネ、微細なタネのまき方

中〜小粒のタネは平鉢や育苗箱にばらまくか、すじまきし、一般にタネの直径の2倍くらいの厚さに覆土します。

覆土が足りないと種皮をつけたまま発芽し子葉が開かないことがあるので注意します。

発芽後は生長にあわせてポットに移植します。

微細なタネやロベリア、トレニア、インパチエンスなどのように光が当たらないと発芽しない好光性種子は、ピート板にまくと発芽、生育がよくなります。

[プラグトレーにまく]

タネをメモ用紙に載せて、爪楊枝でプラグトレーの各区画に1、2粒ずつまく。

[圧縮ピート板にまく]

十分に吸水させたピート板に、タネが均一になるようにパラパラとまいていく。

[平鉢にまく]

親指、人差し指、中指の3本でタネをつまみ、指先を上に向けてすり合わせながら重ならないようにまいていく。

[覆土]

タネまき後はフルイを使って土をかけます。

覆土の厚さが一定なら、そろって発芽します。

[中〜小粒のタネの植物、微細なタネの植物の一例]

中〜小粒のタネの植物
・パンジー ・サルビア ・ナデシコ ・センニチコウ ・トマト ・キンセンカなど

微細な種の植物
・ペチュニア ・ベゴニア ・アゲラタム ・マツバボタン ・コリウスなど

発芽までの管理

発芽するまでは軒下などの雨の当たらない明るい日陰に置き、発芽したら日当たりの良い場所に置きます。

大事なのは、発芽するまでは用土を乾かさないことです。

水やりのとき、ジョウロで上から与えるとせっかくまいたタネや覆土が流れてしまったり、用土全体が十分に湿らないこともあります。

発芽して根がしっかり張るまで底面から吸水させます。

また、子葉が開くまでは肥料は施しません。

[置き場所]

ポットを育苗トレーに入れて、軒下やヨシズの陰に置きます。

[乾燥を防ぐ工夫]

鉢の受け皿に水をためて、腰水で吸水すると用土全体が確実に湿ります。

[タネまき後の乾燥防止対策]

ぬれた新聞紙やラップなどをかけておくと土の表面が乾きにくいです。

発芽したら直ちにとり除きます。ただし、好光性植物には行わない。

[ピートバンの管理]

乾かすと水がしみこまなくなるので、乾燥させないように管理します。

水は折りとった角から注ぎます。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク