所得控除の種類にはどんなものがあるの?所得控除を理解して賢く節税

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所得税は所得のあるすべての人に対して、課せられている税金です。この所得税について「子供がいると税金が安くなる」「保険に入っていたら税金が安くなる」という声を耳にしませんか?

税金は本来「課税の公平性」に基づいて、税金を負担する能力に応じて課税します。そのため様々な事情を考慮し「所得控除」で税負担を軽くする配慮があるのです。

しかし「所得控除」とは所得税の計算過程に登場する専門用語であり、部分的に耳にしたことはあるけど、全体像はわからないという方がほとんどではないでしょうか。そこで「所得控除」について、その種類と意味、全体像をご紹介します。

所得控除とは?

所得税は所得に対して税金を課すものなので、この所得に対して税率をかけて所得税を出すものと思いがちですが、実際は「課税所得」部分に税率をかけて所得税額を計算します。

これは「所得」から、「所得から差し引かれる金額」の合計額を差し引いたもの。これを総称して「所得控除」と呼びます。

所得控除は納税者の負担能力を考慮するのが目的

所得控除があることで、所得が同じでも税額は同じになりません。

たとえば病気で医療費がたくさんかかる人は、病気ではない人より税金を負担する能力が低くなると想定されるので、医療費控除があります。

また、子供が多い人は子供がいない人よりも養育費がかかるため、扶養控除があります。

このように所得税はその人の税金の負担能力を考慮し、納税者間の不公平感をなるべくなくすように配慮されています。

基礎控除

対象者:所得のあるすべての人
控除金額:誰でも38万円
すべての人が一律で38万円を所得から控除できます。この控除金額はその時々の物価状況を考慮し、金額が変更されることがあります。
・1995年に35万円だった基礎控除が38万円になりました。

配偶者控除

対象者:所得が38万円以下の配偶者がいる人
控除金額:38万円(配偶者が12月31日時点で70歳以上の場合は48万円)
基礎控除はすべての人が控除を受けられます。では、所得が0円の専業主婦・専業主夫はどうなるのでしょうか?

所得0円−基礎控除38万円=−38万円×所得税率5%=−1万9000円
計算式上ではマイナスで表記していますが、実際は0円。つまり1万9000円分だけ税金負担が減るということもなく、所得がない人は基礎控除の恩恵を受けられていないことになります。

そこで、所得がない配偶者の分はその生活を金銭面で支えている人から、代わりに控除することで、所得がない人も基礎控除分の恩恵を受けられるようになっています。これが配偶者控除です。

配偶者特別控除

対象者:所得が38万円超76万円以下の配偶者がいる人
控除金額:配偶者の所得に応じて変化
配偶者の所得が38万円を超えても、条件によっては配偶者特別控除が受けられます。

※注意
配偶者特別控除を受けようとする人は、その年の合計所得金額が1000万円以下でなければ、この控除を受けることができないので注意しましょう。

扶養控除

対象者:「所得が38万円以下で16歳以上の親族」を扶養している人
控除金額:扶養される人の年齢によってそれぞれ決まっています。

19歳以上23歳未満の親族を扶養している場合は、63万円の扶養控除を受けられます。高校生や大学生など、子供の教育費がかさむことを想定しています。

また、70歳以上の親族を扶養している場合は介護などで必要な出費が多くなるだろうということで、税金の負担能力に合わせた制度になっています。

同居についての注意点

病気や治療で1年以上入院していて、扶養している人と別居していたとしても、この場合は「同居している」とみなしてくれます。

ただし、老人ホームなどの施設へ入っている場合は、病気や治療でやむなく別居しているわけではないので、この場合は別居になります。

ちなみに「同居老親等以外」とは、例えば別居している親を扶養している場合や、同居している兄弟姉妹などを扶養している場合が該当します。

同居特別障害者

「特別障害者」と認定された障害者で同居をしている人(同居特別障害者といいます)を扶養している場合は、控除額が通常の扶養控除よりも大きくなります。

障害者控除

対象者:障害者または障害者を扶養している人
控除金額:障害の程度によって決まっています

障害のある人は、車椅子代など障害に伴う様々な諸経費がかかると考えられ、障害の程度に応じて控除額が設定されています。

また、ここでいう障害とは、身体障害や精神障害など、すべての障害を含んでいます。
同居特別障害者を扶養している場合は、同居特別障害者の扶養控除と同居特別障害者の障害者控除の両方を受けられます。

寡婦控除・寡夫控除

対象者:寡婦である人、寡夫である人
控除金額:27万円または35万円

離別をして自分一人で子供を育てなければならない状況は、税金の負担能力が低くなると考えられます。
扶養親族である子がいるかどうかがポイントになります。

勤労学生控除

対象者:勤労学生である人
控除金額:27万円

学生に通いながら仕事をしている場合は、この控除を受けられる可能性がありますが、所得が65万円以下である必要があります。
この控除を受けると、勤労以外の収入がなければ、税金は必ず0円になります。

ただし、所得制限額の設定が低いので、小規模な事業者でなければ受けにくいかもしれません。

雑損控除

対象者:災害、盗難、横領などによって、個人資産について損害を受けた人
控除金額:下記計算式

損害の原因が自然災害や盗難、横領の場合は雑損控除という所得控除を受けることができます。
ただし、詐欺や恐喝の場合には受けられません。

「計算式」
雑損控除額=「損害金額の合計」+「関連したやむを得ない支出の金額」−「保険金などにより補填される金額」−「総所得金額の10%」

医療費控除

対象者:医療費が年間10万円を超えた人
控除金額:下記計算式

すべての医療費の支出がそのまま控除されるわけではなく、年間の医療費で10万円を超える実費分だけが控除されます。

美容目的や健康診断で重大な疾病がない場合などの出費は、医療費控除の対象外です。

「計算式」
医療費控除額=「医療費の合計額」−「保険金などの補填金額」−「10万円または所得の5%」

社会保険料控除

対象者:社会保険料を納めた人
控除金額:その年に実際に支払った金額の全額

社会保険とは、健康保険、国民健康保険、厚生年金、介護保険、雇用保険などのことで、原則支払いが強制されているものです。

その年に実際に支払った金額が控除金額になるので、昨年分や来年分を今年中に支払った場合は、その全てが今年の社会保険料控除になります。

また、家族分の社会保険料を支払った場合は、支払った人が社会保険料控除を受けられます。

生命保険料控除

対象者:生命保険の保険料を納めた人
控除金額:加入時期や保険料、保険の種類によって決まっています。

小規模企業共済等掛金控除

対象者:小規模企業共済等の掛金を支払った人
控除金額:支払い金額の全額

小規模企業共済は任意加入です。

特に個人事業主は会社で厚生年金を積み立てたり、退職金を受け取ったりできないので、その代わりにこの制度を利用する方は多くいます。

多くの人が加入できるように、金額を控除できるようにして促進されています。

地震保険料控除

対象者:地震保険の保険料を納めた人
控除金額:支払い金額の全額(上限は5万円)

地震、津波などによる損害には地震保険料控除があります。基本的にはその年に支払った保険料の全額が控除されますが、控除の限度額は5万円です。

なお、火災保険は地震保険料控除の対象外ですが、火災保険の名前で地震による損害も補償している火災保険の場合は、地震にかかる部分は控除対象になります。

寄附金控除

対象者:特定の寄附をした人
控除金額:寄附金額(所得の40%)−2000円

国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して、寄附をすると控除されます。
近年注目されている「ふるさと納税」も寄附金控除に含まれます。

まとめ

所得控除は自己申告制です。しっかり把握すれば控除の適用漏れを減らせるでしょう。
所得控除の種類と意味を把握し、確定申告時に役に立てましょう。

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